フードアーティスト諏訪綾子さんの個展LOST TONGUESに行ってきました。
見るだけの個展ではなく、感情のテイストを味わうフードパフォーマンスです。
着席・フルコースと、立見・テイスティングがあり、着席している人は立見客にぐるっと囲まれ味わっているところを見られるというしくみになっています。
私は着席でフルコースを体験しました。
赤を基調とした会場は、長いテーブルが真ん中に2つ。テーブルの前には舞台があり、そこで奇妙なキッチンと奇妙なシェフたちがフライパンや水などで様々な音を奏でています。
司会は美しい諏訪さん。彼女がメニューを読み上げ、舞台から不思議なウェイターたちが降りてきてサーブしてくれます。ウェイターたちも一人一人がアート作品。独特な世界観。
「恥ずかしさと喜びがゆっくりと快感に変わるテイスト」「あこがれが確信に変わるテイスト」「幸せのテイスト/後から押し寄せるせつなさのテイスト」「ときめきのテイスト/一瞬にして沸き起こる怒りのテイスト」など。
実際にタイトル通りに感じるのか、一つ一つのアート作品を慎重に味わいました。
なるほどと思うものもあれば、自分にとっては別のタイトルをつけたいものもあったり。
会場の中にいた方々はどう感じたのかとても興味深いところ。特定の感情を引き出すポイントは人それぞれなんだろうなぁと思う。
それにしても、食べている所を周りに人がたくさんいて見られているというのは非常に落ち着きませんが、逆に立見の方たちを観察したりと、なかなか面白い体験。着席の人達の表情で想像した感情のテイストがどんなものだったのかも興味深い。
見られることが落ち着かない、または快感、という部分に人間の性質も垣間見え、フードを味わう以外の様々な感情を体験できる面白いパフォーマンスだったと思います。